自動散水システム
システム構成
コントローラには小型コンピュータのRaspberry piを利用し、温度、湿度、気圧センサー、 水位センサーを取り付け、SSR(ソリッドステートリレー)を制御することで、 散水や池の給水、ガーデンライトのオンオフを行っています。

Raspberry piにはフリーウェアのConductor piを 搭載して、スマホやPCのインターネットブラウザから状態を監視したり、リモートで制御できるようにしています。 また、Conductor piのflowを組み上げることで、 複雑な制御論理をプログラミングすることができます。 例えば、季節(日時)や気象(温度や湿度、気圧変化)で散水の条件を変えたり、 雨水タンクに水があればタンクから池に給水を、空なら水道から給水するようにしています。

なお、図中の電磁弁#1は散水(スプリンクラー)用、電磁弁#2は池への給水用、電磁弁#3は雨水タンクから 池への給水用です。2つ以上の電磁弁が同時に開くことがないような論理制御も Conductor piのflowで行っています。
ブラウザからの制御
Conductor piをカスタマイズして ブラウザから散水などを制御したり状態を監視できるようにしています。
Lightボタンを押すとガーデンライトが点灯します。Sprinkleボタンは3分間の散水を行います。 状態は、気温、気圧、湿度、池の水位、雨水タンクの水位を確認することができます。 Supply To Pondボタンは雨水タンクの水を、タンクが空なら水道から池に給水します。 Tap To PondとTank To Pondはそれぞれ水道からとタンクからの給水です。いずれも 池が満水になるまでか、最大30分の給水です。

状態変化をグラフ化する機能も作りました。 上段は池の水位(赤折線)、雨水タンクの水位(青折線)、気温(緑折線)です。水色の棒グラフはタンクから池への給水、 赤の棒グラフは水道から池への給水を表しています。グラフには現れていませんが、散水は緑色の棒グラフが表示されます。 下段は、気圧と湿度のグラフです。
散水時間は季節によって異なり、冬は8時頃、夏は7時と18時に設定し、雨水タンクの水位が減っていることを雨が降っていない ことと判断し、かつ、気圧が低下傾向にない場合にのみ散水するようにしています。
池の給水もタイマー制御し季節により時間を変えています。
Tips:電磁弁(ソレノイド)
電磁弁には駆動方法にパイロット式と直動式の2つのタイプがありますので用途に応じて選択しましょう。 水道栓の開閉を行うのであればどちらのタイプでも使えますが、入り側の水圧を使って少ない電力で 開閉できるパイロット式の方が望ましいでしょう。一方、雨水タンク(よほど高い位置に設置してあれば別ですが) からの水を開閉するには弁を開けるための水圧が不足するので、直動式でないと弁が十分開きません。写真は直動式の 電磁弁の一例で、上記の図中の電磁弁#3に使っています。
Tips:シールテープ
電磁弁にはネジを切ってあるものを選択すると、ホームセンターで扱っているポリ塩化ビニル管(VP管)に簡単に接続できます。 接続にあたっては、水道蛇口を接続する際と同様にシールテープが必要になることが多いようです。 シールテープを時計回りに5-7巻くらい巻ます。これで電磁弁の方向を調整することもできるようになります。