コンパクトカーの検討(2013年末)
アウトランダーに乗って約6年。とても気に入った車でしたが、タイヤに多数の亀裂。1年に一度か二度くらいの雪道走行もあるので、オールテーレーンタイヤ(オールシーズンタイヤ)への交換を検討しました。アウトランダーにはGEO LANDERが良さそうだと思って、最寄りのタイヤガーデンに行ったものの、店員には雪道にはスタッドレスタイヤじゃないと不十分、と一笑されてしまいました。一方で、走行距離はわずかに30,000km。首都圏周辺の高速道路は休日ともなるとどこも渋滞するし、車ではアルコールは飲めないしということで、最近はますます電車の利用が増えました。
こんな状況なので、たまの雪道はFFでスタッドレスを、それもSUVのように大きくて高いタイヤではなく、利用頻度も低いからできるだけ安い車、ということで、次はコンパクト車に乗り換えることにしました。
コンパクトカーの一次比較
コンパクトカー市場は激戦のようで多くの車が発売されています。その中から下表の4つを候補としました。トヨタは性に合わないので最初から除外です。出かけるとなると高速道路を利用するので、マーチやミラージュといったクラスよりは上を、ナビとETCのオプションと諸経費込みで180万円以下という条件です。180万円というと下取り価格が10年で0になると計算して年間18万円(月額15,000円)、これに車検や自動車税、保険を加えるとほぼ月額20,000円くらいになります。ガソリン代は含まず、駐車場は自宅にスペースがあるので0としても、乗っても乗らなくても週5,000円という計算なので安くはないですが、これ以下にすることは軽自動車くらいまでクラスを下げる必要がありますので、我慢のぎりぎりの線です。
中古車も比較検討しましたが、2013年現在ではエコカー減税があったりするため、月額あたりの計算をするとほとんど差が出ないので、新車のみをターゲットにしました。
車種FITDemioSWIFTNOTE備考
グレード13G FパッケージSKY ACTIVEXG-DJEX 2WD
見積概算170万円186万円172万円オプションは、カーナビ,ETC,サンバイザー,フロアカーペットのみ。11月購入での諸経費込み。メンテナンスパック等も除外。
アイドリング
ストップ
SWIFTの再起動の振動やタイミングには違和感あり。NOTEはブレーキを強めに踏まないとアイドリングストップしない。
スタイリング×FITとNOTEはとても似ているがフロントグリルとヘッドライトのバランスはFITの方が好み
通信カーナビインターナビ
リンクアップフリー
××Car Wings詳細は下記参照。SWIFTとDemioはエントリークラスのナビで見積り。
スマートキー×(op)慣れてしまうとスマートキーは便利。
イモビライザー×(op)

ABS○(VSA)

横滑防止○(VSA)○(DSC&TCS)○(ESP)△(VDC)NOTEにはオプションで取り付けて見積り。
ミッションCVTCVTCVTCVT

ダッシュボード内装×NOTEのマニュアルエアコン周りはかなりチープな感じ
後部座席広さ××カタログ上はNOTEの方が広いが体感的にはFITと同等。DemioとSWIFTは明らかに狭い。
荷物室広さ××後部座席が広い 分荷物室が広いかといえばそうではない。
オートエアコン××マニュアルエアコンは作りもチープ
プライバシーガラス×(op)必須ではないが最近はほとんど標準装備になりつつある
排気量1317129812421198エンジンについては後述
燃費24.42526.422.6ほとんど差はなし。NOTEのXグレードはアトキンソンサイクルではない模様。
タイヤサイズ175/70R14 84S175/65R15 82S175/65R15185/70R14 88Sほとんど同様。175/65R15の方がスタッドレスタイヤは1000円/本くらい安い。
スピーカ数2262SWIFTのみ優秀
エアコン
オートエアコンは温度を設定したからといってずっと操作不要かと言えばそうでもなく、季節や日照によって体感温度は変わるので、温度設定はかなり頻繁に変える必要があります(少なくともアウトランダーではそうでした)。温度設定以外でのオートエアコンのメリットを挙げてみると、
くらいです。吹出口の切替が最近ではマニュアルエアコンでもダイヤル式(電気式)になっているので、マニュアルエアコンでも2点目を備えてもよさそうですが、なぜかそうはなっていません。 また、オートというのなら、体感温度でエアコンの機器具合を調整するとか、トンネルや幹線道路など排ガスの多いエリアに入ったら自動で車内循環に切り替えるくらいの機能が欲しいものです。
ただ、これだけの違いのために、10万円近くという家庭用エアコンを購入できるほどの価値があるとは感じません。
エンジン
最近は高効率なエンジンが多数登場しています。素人ながらネットで調べてみて 次のように理解しました。わかりにくいのは、アトキンソンサイクルエンジンに広義の意味と、狭義な意味があるところかと思います。
広義のアトキンソンサイクルエンジンを実現したエンジンの方式に次の2種類があります。
狭義のアトキンソンエンジン 特殊なクランク構造でピストンの動作範囲を変える方式。ホンダのこちらのサイトで仕組みが紹介されています。
ミラーサイクルエンジン 吸気時のバルブを閉めるタイミングを調整することで圧縮比を実質的に下げる方式

FITのエンジンはアトキンソンサイクルエンジンと説明されていますが、iVTECを利用しているところを見るとおそらくミラーサイクルエンジンと推測します。DemioのSKYACTIVEも同様です。NOTEのXグレードはアトキンソンサイクルとの明記はなく、X DIG-Sグレードではアトキンソンサイクル+スーパーチャージャーです。WIFTは明記はありませんが、ミラーサイクルに近い構造と思われます。

下のグラフはそれぞれの車のエンジン関連の性能のスペックをプロットしたものです。参考にNOTEについてはX DIG-Sグレードものせました。 これらをみるとFITのエンジンは優れたポジションにある割に、NOTEは今ひとつです。X DIG-Sはトルクもスパーチャージャーのおかげで強く、これらの中では最良ではありますが、Xグレードより20万円も高価なので、FITの方が割安感を感じます。SWIFTは燃費がいいですが、これはエンジンそのものというよりも、停止前の低速度でエンジンを止める動作によるものなのではないでしょうか。

カーナビに求めること、求めないことをまとめると
  1. ワイヤレス(bluetooth)で音楽再生制御がナビからできないのであれば、iPhoneは操作しやすいようダッシュボードに置きたい。(わずらわしい接続ケーブルなしで)
  2. iPhoneを充電できるようにしたい(ただし配置場所はダッシュボード以外)
  3. 充電中でも音楽再生はしたい
  4. 通信ナビで渋滞情報やルート選択を活用したい
  5. テレビ・DVD不要(走行中に見ることもない)
  6. CD不要(音楽はiPhoneに入れた音楽とネットラジオで十分)
です。こう考えると、3.の要件を満足するには、結局はbluetoothでの音楽再生制御は必須なので、1.〜3.の要件は次のようにまとまります。
  1. 音楽再生のbluetoothプロファイル(A2DP)をサポートしていること
  2. 音楽再生制御のbluetoothプロファイル(AVRCP)をサポートしていること
  3. iPhoneとのケーブル接続は充電時のみで可
スマートフォンとの連携という製品ではカロッツェリアのスマートフォンリンクという製品群があり、SPH-DA05IIはとてもシンプルで3万円もしない実売価格なので、希望のものに近いです。しかし、ナビを使うにはiPhoneのアプリを使うことが必須のためケーブルに接続する必要があります。iPhoneケーブル接続は長時間利用する時(充電が必要な時)に限りたいので、この製品群では要件を満足できません。
きっとiPhone in the carというソリューションがベストなのでしょうが登場は2014年なので間に合わず、2013年末時点では、通常のナビでiPhone連携で要件を満たすものを探すしかありません。その結果が次の表です。最右列には私の理想の仕様を記載しまています。(トヨタ車は対象外なのでG-Bookは除外しています。)
種別インターナビ(ホンダ)Carwings(日産)カロッツェリア(市販品)理想
機種vxm-145vsiMC313D-A/WAVC-MRZ066
価格定価123,900円定価158,000円72,000円前後5万円程度
AV接続A2DP
AVRCP(バージョン不明)
A2DP
AVRCP. Ver.1.3
A2DP
AVRCP
AirPlay
NaviConbluetoothbluetoothbluetoothDon't care
通信softbank回線モジュール内蔵bluetoothでスマホと接続。データ通信契約の条件不明。機種依存性も高い模様なので通信アダプタ(29,800円)を使う方がベターか。その場合、最上位機種の198,000円と価格差がほとんどない。bluetoothでスマホと接続。ドコモの場合はmoperaU契約が必要。WiFi(スマホのテザリングを利用してネットに接続)
ETC連動 15,960円 28,200円 26,250円 2万円程度
地デジ 1セグフルセグ1セグ不要
CD/DVD CD/DVDCD/DVDCD/DVD不要
会員数
総評 ディーラオプションとしてはバランスがとれている 通信モジュールを内蔵せず、いらない地デジがフルセグ、連動ETCも高く、割高。 MRZ04は通信機能を利用した渋滞情報取得ができない。マニュアルをみた感じでは画像表示のセンスはいまひとつ(Windowsで見られるようなカクカクした文字の雰囲気)。通信はSIMフリーiPhoneを使っているケースは問題ないが、iPhoneプラン(SPモード)は使えるかどうか不明など、長期使用を考えた場合に不安要素が多い。 NaviConは便利なTuneInRadioなど使えないアプリもあり不十分なのであればいいという程度。TV/CD/DVDは時代遅れなので不要。

いずれのナビも余計な機能が多い割には、WiFiとかテザリングを意識した機能もなく、ガラケー的ガラパゴス化を感じる。これらの中ではインターナビが妥当と思われることからも、やはりFIT優勢。

下取り価格
比較の結果、FITにほぼ決定した段階で、アウトランダーを下取り査定へ出したところ、当初予想よりも高い価格になりました。走行距離が少ないということもありますが、どうやらSUV人気が高いことが影響している模様なので、中古車価格を再チェックしました。
すると、コンパクト車の中古車は供給が多いせいか9年くらいでゼロになりそうなくらいの下落率、それに対してJUKEなどのSUVは11-12年くらいでゼロになるくらいの下落率でした。これを年間あたりで計算すると次の表のようになります。

購入価格 9年でゼロ 10年でゼロ 11年でゼロ 12年でゼロ
180万円 20万円/年 18万円/年 16万円/年 15万円/年
200万円 22万円/年 20万円/年 18万円/年 17万円/年
220万円 24万円/年 22万円/年 20万円/年 18万円/年

この表からわかるように、中古車価格が9年でゼロになる180万円の車と、 11年でゼロになる220万円の車では、どちらも20万円/年だけ車の価値が下がる、 すなわち、同じだけの費用がかかる、ということです。
私の場合、冒頭に記載したように、車の価格よりは月(年)あたりの費用が少ない車が欲しかったので、あらためて中古車価格の影響を認識しました。 6-7年後の中古車価格の予想は難しいですが、コンパクトカーの下落率が良くなるとは 考えにくいので、それなら少しでも自分の好みにあったSUVはないものかと再調査することにしました。

下取り業者
車の下取りは、一部のディーラー(国産ですとマツダ)を除けば、ディーラーより 下取り業者の方が圧倒的に下取り価格は高いです。ただし、下取り価格は常に変動しているため、見積してから2週間程度で手放すくらいの時間感覚でないと、高い下取り価格を引き出すのは難しいでしょう。したがって、乗り換えが決まった段階で複数社に見積もってもらって即決することが必要です。また、下取り価格は、ネットの中古車情報を参考にするとよいと思います。当然のことながら、業者の手数料が加算されるので、下取り価格は中古車販売価格より低くなります。
今回は、カーセンサーを利用して複数社の見積を依頼し、4社とやりとりした状況は次の表の通りです。カーセンサーでは連絡先等を記入しているにも関わらず、ほとんどの業者は再度連絡先を通知しなければならないなど、情報がしっかり流通しておらず煩雑でした。

ガリバー 一番最初に連絡してきた。接客態度も手間もかからないのでスムース。ただし、査定と交渉は予定の1時間を大きく上回る。見積額も中古車市場の説明から入り、最も低い査定額からの提示なので、相場をあらかじめ調査しておかないと交渉には非常に不利になる。ガリバーだけが用意しているクレームガード保証制度にも疑問あり。
カーチス カーセンサーで入力したものと同じ情報を報告しなければならず手続きが煩雑。住所を通知しているのに最寄り駅まで教えろと言う。今時グーグルマップでも調べればそのくらいわかるはずでは?ただし連絡のほとんどはメールで済んだ。
見積申し込みの最低さ加減に反して、査定はスムース。買取価格も高い。
カーリンク 会議中だろうと移動中だろうと頻繁に電話攻撃でうんざり。平日昼間は仕事なのだからこちらの事情を察してほしい。連絡希望時間も夕方以降とカーセンサーのサイトから入力しているのに全く関知せず。
また、多くの中古車買い取りではなく、オークション出品をサポートする形態のようなので、使う際には違いをよく理解する必要あり。
ラビット 連絡は控えめ。しかし約束の日時になっても連絡なく尻切れとんぼ。