ドローンの比較(2015年)
これまでAR Drone2.0とPhantom2を楽しんできましたが、様々なメーカから 様々な機種がでてきているので考察してみました。
比較対象
これまで使ったことのある、Parrot社とDJI社に加え、ネットで話題の3D Robtics社のドローン(クワッドコプター)を机上で比較します。
Bebop Drone Phantom3 Solo
メーカ Parrot
フランス
DJI
中国
3D Robtics
北米
コントローラ スマホ
専用コントローラ(Sky Controller)
専用コントローラ(ラジコンプロポ) 専用コントローラ
コントローラOS Android ラジコンベース Unix系
制御方式 WiFi ラジコンと同様 WiFi
本体制御方式 独自 独自 オープンソース
重量(kg) 0.42 1.28 1.80
カメラ 内蔵 内蔵 別付(GoPro)
ジンバル 電子式 機械式 機械式
価格 16万
推定・カメラ別
備考 軽量で安全。ジンバルは電子式なので衝撃にも強く故障しにくい。軽量であるがために乱流にどのくらい安定性を維持できるか、AR Droneの飛行安定性には疑問があったがそれがどこまで改善されているか、といった懸念あり。 安定性は抜群。稀にFly awayしたとの報告もあるが、パイロット側の過失がどの程度あるかは不明。いざとなればマニュアルモードでの操縦も可能であるなど設計思想も優れている。ジンバルの安定性も定評あり。 カメラの撮影モードを設定できるなど空撮機能が優れている。コントローラの デザインも良い。製品問題による墜落の保証付。Unix系OS+WiFiによる制御のため、ラジコンベースのPhantomより複雑であり、信頼性がどこまで確保できているか。IRISの評判も散々であったことや、重量が重いことにもやや懸念あり。価格も高め。

Bebop Droneのレビューはまだそれほど多くはないようですが、AR Droneの 信頼性の低さを思い出すとやや不安を感じます。例の善光寺の事件で墜落したのも Bebop Droneのようですし。電子ジンバルは故障することはないものの、画質は犠牲になる可能性もあるでしょう。
Soloの発売もまだなので、 推測の域を出ませんが、Phantomより300gとは言え重い重量と高い価格、Irisの評判の悪さを考えると、Phantom3に勝る点はデザインと撮影モードでしょう。プロポは使いやすそうです。
Bebop DroneもSoloもWiFiをベースとしたシステムで、AndoridやUnix系をベースに していると推測しますが、これがどこまでの完成度に達しているかが安定性の ポイントになると思います。DJI製品の操縦システムは従来のラジコンをベースとした ものであり、機体のコントローラもかなりの実績を積んでいるところが最大の強みでしょう。 ただPhantomの残念な点は、構造上プロペラや脚が写り込んでしまったり(Phantom3では画角を狭くしているので解消しているらしいです)、 陽の方向によってはプロペラの影響でフリッカが生じる点です。
以上を考えると現時点(2015年5月)でもし私が買うとしたらPhatom3です。
これからのDroneへの期待は、せいぜい1kgまでの軽量なヘキサロータで、モータがひとつ壊れても墜落しないくらい信頼性の高い機体です。

ドローンの規制
最近のドローンのトラブルで規制が一挙に広がり肩身が狭いです。 ごくごく一部の非常識なユーザのせいでこのような状態になるのはとても残念ですが、これは日本に限らず、ある程度はやむをえないことでしょう。すでに具体化してきている対策である
までは仕方ないとしても、操縦免許資格制にするという施策には、ラジコン飛行機やヘリまでその範疇にいれるのか、それらよりも操縦が簡単なものに操縦資格を 必要とするとはなぜなのか、様々な機種があるのにどうやって標準にするのか、という無理があるように感じます。ドローンの墜落は操縦者の操縦そのもののスキルよりも 機体そのものの信頼性や、バッテリー残量の監視とか機体を安定させるための飛行前の初期化といったオペレーションの不十分さによって起きるものがほとんどと思われます。
さらに、以上の対策は、せいぜい非常識なユーザに対する対処にしか過ぎないことも 認識して法制化してほしいものです。国のレベルでいうならテロ対策がもっと重要ではないでしょうか。今の技術では、多少の知識があればドローンは自作できてしまいます。姿勢制御のためのソフトウェアでさえオープンソースで手に入ります。 民生向けのドローンをいくら規制してもテロ対策にはほとんど効果がないでしょう。 がんじがらめで技術の発展を阻害するよりも、未知のドローンをも防御し対抗できる技術開発に努めるべきではないでしょうか。