物件選びのノウハウ
【一戸建て購入の種類】

よく知られているように一戸建ての購入には次の3種類があります。詳しく説明されているサイトは沢山あるので、ここでは概要のみを記載します。



長所 短所
建売
(新築/中古)
土地+建物を同時に購入する形態。通常は建物の建築が終わった段階で販売される。 物件が気に入れば非常に手軽。 間取りや建物のデザイン等に自分の希望を入れられない。
建築条件付き土地 土地と建物を別々に購入する形態。ただし建物の建築業者が決まっている。 建築条件なしよりも少し安価かも。間取り等に自分の希望を入れられる。 (おそらく)契約は土地購入と建物建築の2回になる。建物建築に不動産屋を通さなければ、建物分の仲介手数料はかからない。
建築条件なし土地 土地と建物を別々に購入する形態。 建築業者を自由に選べる。 契約は土地購入と建物建築の2回になる。建物建築に不動産屋を通さなければ(通常は通さない)、建物分の仲介手数料はかからない。

私たちの場合、最初はどれと決めていたわけではありませんでしたが、 茶室(水屋も)も欲しいということになり、建売は断念。最終的には、 建築条件なし土地を購入し、フリープランで建物を建てることにしました。

【建物の広さ】

まず建物に必要な面積がどのくらいか概算しておきましょう。次の表を参考に必要な面積を算出してみて下さい。ちなみに、1坪=2畳=3.3平方メートルです。
参考に私の場合の広さを記載しました。2階建て3LDK(延床面積24坪)です。

面積(坪) 備考 参考値(私の場合)
玄関 0.5〜 廊下部分を含まない土間部分。 約0.5坪
廊下 1〜 間取りによる。最近は廊下の一角にパソコンコーナをおくなどフリースペースとして利用する設計もある。 1階約1坪、2階約1坪
階段 0.8〜1×(階数ー1) もっと小スペースを狙うならスパイラル階段。 約1坪
リビング 4〜 もっと小スペースのリビングも可能。その場合にはキッチンやダイニングの配置も考えて検討しましょう。 約5.5坪
LDKにしては狭い。ダイニングはリビングで代用してキッチンも対面式ではなくオープンにした。
キッチン 1.5〜
ダイニング 1〜
部屋 3〜 寝室、ゲストルーム、子供部屋など用途に応じて。収納スペースも忘れずに。 約3坪+約5坪+約2.5坪(茶室と水屋)
WIC
(ウォークインクローゼット)
1〜 寝室、ゲストルーム、子供部屋など用途に応じて。収納スペースも忘れずに。 1坪
バス 0.8〜 少し広めのバスなら1坪くらいで。 1坪
洗面室 0.8〜 洗面台や脱衣室、洗濯機設置場所として利用するのが定番。 1坪
トイレ 0.5〜 手洗いやカウンターをつけるトイレも多くなってきているのでできれば0.75坪以上をお勧め 約0.75坪×2
屋根裏収納 (最上階床面積の1/8以内) 屋根裏収納(部屋ではありません)は延床面積には含める必要はありません。 1.5坪
家事室 (0.8〜) 洗面室とは別に家事室を作って洗濯機やアイロン台などをおくケースも増えてきました。 なし
ガレージ (2/台〜) 屋外なら延床面積には含まれない。ビルトインガレージの場合は延床面積の1/5までなら容積率に含めなくて良い。コストは高くつくが上手に利用すれば土地を有効利用できる。 屋外1台分
もし敷地が狭く、でも少しでも広い家を求めるなら、地下室を検討するのもよいでしょう。地下部分は鉄筋コンクリートになるので少しコストがかかりますが、土地が高くてかつ高い建物が建てられない場合には有効です。

【土地の広さ】

建物の広さ(=延べ床面積)がわかったところで次は土地の広さです。その前に次の 3つの用語を理解しましょう。

建ぺい率 土地広さに対する建物の占有する広さ(建築面積)の上限 例えば、土地が30坪で建ぺい率40%の場合は、建築面積は12坪が上限
容積率 土地広さに対する建物の延べ床面積(全フロアの面積の合計)の広さの上限 例えば、土地が30坪で容積率80%の場合は、述べ床面積は24坪が上限。2階建てならそれぞれのフロアが12坪。合計が24坪なので、1階10坪、2階8坪、3階6坪でもよい。
高さ制限 宅地の種類(第一種低層地域、商業地などなど)や斜線制限などの条件で高さが制限されます。 例えば、第一種低層地域では高さが10m程度までなので2階建てまでになります。このことは高い建物が建てられないという不自由さはありますが、逆に、まわりの家が低く日照がある程度は 保証されるというメリットもあります。

では必要な土地の広さを計算してみましょう。
・階数: 階数は高さ制限以内になっているかチェックしましょう。

・建ぺい率: 間取りが決まるまでは建築面積は正確にはわかりませんが、各階の面積が同じと仮定すれば、
建築面積 = 延床面積 ÷ 階数
となります。建築面積から必要な土地の広さを算出するには、
土地の広さ(1) = 建築面積 ÷ 建ぺい率
です。

(例)延床面積24坪÷階数2階÷建ぺい率0.4=30坪


・容積率: 容積率からも必要な土地の広さを算出します。
土地の広さ(2) = 延べ床面積 ÷ 容積率

(例)延床面積24坪÷容積率0.8=30坪

以上で算出した、土地の広さ(1)と土地の広さ(2)の広い方が必要な土地の広さです。
この広さを参考にして、まわりの環境や価格などを考えて土地を探しましょう。

私たちの場合は、駅からの距離(徒歩圏)、通勤時間、まわりの環境(商業地域ではなく住宅地域)を重視して探し、30坪の土地を購入しました。あらかじめここに書いたような知識があればもう少し広い土地を探したかもしれませんが、なんとか3LDKは確保できそうなので上出来でしょう。